カレーはローテーションの柱
私はカレーが好きだ。
ビーフもポークもチキンも、具がゴロゴロなやつも溶け込んでいるやつも、手作りは勿論レトルトであろうと。とにかくカレーであればどんな形であれ喜んで受け入れる。
カレーを食べるのが連日続こうと文句はない。しかし、周りの人はそうではないらしい。うちの嫁も、カレーが嫌いというわけではないが、どうしても熱量に差は出るものである。
昨日の昼は嫁と近所のカレー屋さんに行ってきた。インドカレーを出してくれる店で、夫婦二人とも大変満足の味だった。
こういうことを職場で言うと、「仲が良くていいですねー」と言われる。
確かに、一緒に食事をする相手がいるということは幸せなことであると思う。しかし今回は、それは時と場合によるという話。
冒頭でも書いた通り、私はカレーは好きである。
何が言いたいのかと言うと……
今日もまたカレーが食べたくなった!
しかし、その時関わってくるのが嫁の存在である。
彼女もカレーは嫌いではないが、2日続けてのカレーに付き合ってくれるかというと疑問が残る。そんなことを考えながら朝から仕事に向かったのだが、午前中にその嫁から連絡が入った。
「ごめん、言い忘れてたけど今日飲み会だから夕食は一人で済ませて!」
(そっかー、夕食はひとりかー……)
(カレー食えるじゃん!!)
その瞬間から私のテンションは上がり、精力的に仕事をこなしていく。そう、全ては早くカレーを食べる為だ。
仕事が終わると、そそくさと帰り支度を済ませる。同僚に「どうしたの?今日早いじゃん」と聞かれたので、「ごめん、今日飲み会だからさー」と返しておく。飲み会なのは自分ではないが、嘘は言ってないのでセーフだ。
急行電車で帰ってきた私は早速米を研いで炊飯器にセットする。カレー自体は買い置きのレトルトがあるし、帰宅途中にスーパーでトッピング用の唐揚げも買ってきてある。あとは米が炊き上がるのを待つばかり、全てが順調だった。
しかし、その時である。玄関のドアが開く音が聞こえた。そう、嫁が帰ってきたのである。
(馬鹿な……今日は飲み会で遅くなるはずじゃあ……)
「ただいまー。。」
「どうしたの?今日飲み会じゃあなかった?」
「うん、そうだったんだけど、ちょっと疲れたから早めに切り上げてきたー」
体調が悪いとかではないから心配しないでと言われて一安心だったが、そうなると個人的には違う心配が出てくる。
このままでは、カレー食おうとしてるのがバレてしまう!
いや、決して悪いことをしているわけではないのだが、夫婦と言えども何となくそれは気恥ずかしい……
何としてもそれは避けなければ!
「疲れてるなら今日は早めに休んだ方がいいよ」
「夕食は一人で適当に済ますからさ」
「明日もあるんだし本当に無理しないで」
そんな言葉をかけつつ嫁を寝室に見送り、一人リビングでそそくさとカレーを食べた。
私は一体何と戦っているのだ……