パンツを捨てるタイミングが分からないので情が移る
嫁は小さなことは気にしない性格である。
一緒に暮らしていても、 些細なことで私が注意を受けるということは少ない。
そんな中、数少ない「注意を受ける」事のひとつが「 古くなったパンツを捨てなさい」というものなのだが、 私はこの基準がよく分からないので困ったことがあった……
皆さんは下着を買い換えるタイミングに明確な基準をお持ちだろう か?
タイトルからも分かる通り、私はその基準を持ち合わせていない。
タイトルからも分かる通り、私はその基準を持ち合わせていない。
その点、靴下は分かりやすい。
彼らは、自分の限界を「穴が空く」 という分かりやすい形で主張してくれる。
彼らは、自分の限界を「穴が空く」
そうなったら流石に私も捨てるという判断を下せる。
しかし、その基準でいくとパンツはどうだろう?
余程のことが無い限り、パンツに穴が空くということは稀である。
なので、捨てるきっかけが無く、 独り暮らしの頃は特に同じパンツのローテーションが長期間続くこ とが多かった。
余程のことが無い限り、パンツに穴が空くということは稀である。
なので、捨てるきっかけが無く、
しかし、嫁と暮らす様になり、その状況は変わるのこととなった。
時間は少し遡って数ヵ月前、ある休日のことだった。
我が家では、 二人揃っての休日の時は朝に洗濯機を回して干す作業を夫婦で一緒 に行うことが多いのだが、その時嫁が目の色を変えた。
「はい、パンツ警察入りまーす!」
「えっ!?」
「あー、これはもうダメだねー、これは…… まぁまだギリギリかなー、ん~……はい、こっちはアウトー!」
「何で!?」
こんな感じで、私のパンツはばっさり戦力外通告を受けていく。
理由を聞くと、大体は「何かもう生地がヘタっているから」 という返答だ。
私は必死に抵抗するが、判決が覆ることはまず無い……
「まぁとりあえず一旦干して、取り込んだ時に捨てときなー」
こうして干す行程は終わったが、数時間後、 パンツたちを取り込んだ私は釈然としない思いを抱えていた……
いざ捨てろと言われると、何だか寂しさを覚える。
だってこのパンツたちはもはや友達じゃないか!
雨の日も風の日も、私の下腹部を守ってくれた恩人じゃないか!
いざ捨てろと言われると、何だか寂しさを覚える。
だってこのパンツたちはもはや友達じゃないか!
雨の日も風の日も、私の下腹部を守ってくれた恩人じゃないか!
そんな感情が沸いてきたことによって、 私は結局そのパンツたちに「 警察に見つからない様に静かに暮らすんだぞ!」 と衣装ケースの奥にしまったw
しかし、数日後
彼らは再び「パンツ警察」に見つかることとなってしまう。
彼らは再び「パンツ警察」に見つかることとなってしまう。
そう、すっかり忘れていた私がまた履いてしまっていたからだw
「あれ? そのパンツ捨てといてって言わなかったっけ?」
この警察は優秀だ……
変な言い訳をすれば、 かえって今後に悪影響を及ぼしてしまうだろう……
私は慎重に言葉を選んだ。
「あー、そうだったねー…… この間洗濯物取り込む時に間違えてしまっちゃったかなー……?」
そうだ、間違えてしまっただけだ。
嫁は小さいことは気にしない性格である、 つい間違えてしまった人間に対して、 それ以上の追求はしないはずだ。
「そうかー、間違えちゃったなら仕方ないなー」
良かった、分かってくれた様である。
これでパンツたちもまた静かに暮らせるな。
「じゃあまた間違えちゃわない様に、ハサミで切っときなー」
「へっ!?」
「寧ろ、またそれも忘れちゃうかもだから、 私が切っておいてあげるよ!」
「ファッ!?」
こうして、私は友との別れを経験したのだった……
あれから数ヵ月後の今
私の部屋の衣装ケースには、 あの頃とは違った面々のパンツが並んでいる。
定期的にパンツ警察の取り締まりが入るので、 最近は捨てられる様な物はまず無い。
と思って観察したら一枚だ け危ういやつがいた。。
この子は警察に見つからないように黙っておこうw